10ギガの案内をよく見かけるようになりました。1ギガの10倍と書いてあれば、速くなりそうに思えます。
ですが、いま1ギガを使っていて実測が500Mbps前後なら、10ギガにしても数字はほとんど動きません。上限に届いていないからです。
なぜそうなるのかを、NTTが公式に出している数字と注記で説明します。10ギガで速くなる人と、ならない人がはっきり分かれます。
相談者10倍と書いてあるのに、10倍にならないんですか?



それがですね、NTT自身が「そこまで出ません」と書いているんですよ。まずそこからお見せします。
いろいろ試しても直らないなら、結局は回線を変えるしかありません。GMOとくとくBB光は、ソフトバンク光やドコモ光と同じNTTの光ファイバーに、夜も混みにくいv6プラスを最初から付けた回線です。夜の遅さが直る理由はここにあります。縛りがないので、合わなければ違約金なしでやめられます。
光回線の10ギガと1ギガの違い
| フレッツ 光クロス(10ギガ) | フレッツ 光ネクスト(1ギガ) | |
|---|---|---|
| 最大速度 | 最大概ね10Gbps | 最大概ね1Gbps |
| 月額利用料 | 6,050円 | 戸建て・集合で異なります |
| 対応レンタルルーター | 550円(オプション) | - |
| プロバイダ料 | 1,100円〜(プロバイダパック) | 別途必要 |
| 提供エリア | 限られます | 全国 |
フレッツ光クロス単体で6,050円、ルーターとプロバイダを足すと7,700円あたりからになります。1ギガの光コラボがマンションで4,180円からなので、3,000円以上の差です。
契約料880円と初期工事費22,000円も別にかかります(NTT東日本のホームページ以外から申し込むと23,100円です)。
10ギガでも10Gbpsは出ない、とNTTが書いている
フレッツ光クロスのページには、こう書かれています。
「本サービスの技術規格においては、通信品質確保などに必要なデータが付与されるため、実際の通信速度の最大値は、技術規格上の最大値より十数%程度低下します」
つまり理論上の上限からして、すでに10Gbpsではありません。さらに同じページで「ベストエフォート型のサービスであり、最大速度を常に保証するものではございません」とも明記されています。
「できるだけがんばります。ただし約束はしません」という意味の言葉です。日本の光回線は、ほぼすべてこの方式で売られています。
だから「最大1Gbps」「最大10Gbps」という数字は、上限を示しているだけで、その速度が出ることを保証したものではありません。
実際に何Mbps出るかは、建物の設備、家の中の機器、時間帯で変わります。広告の数字と実測が違っても、契約違反にはなりません。
ここに、家の中の機器の条件が乗ります。J:COMは「10Gに対応した技術規格上の通信速度を出すには、対応した機器/有線LANでONUと接続する必要あり」と書いています。
Wi-Fiでつないでいる時点で、10ギガの数字は出ません。パソコン側も10ギガに対応している必要があります。



契約だけ10ギガにして、機器が1ギガのまま、という状態が一番もったいないんです。
1ギガの実測を見ると分かる、10ギガが要らない理由
いま1ギガを契約している人が、実際に何Mbps出ているのかを並べます。
| 回線 | 平均の下り速度 | 測定件数 |
|---|---|---|
| NURO光 | 934Mbps | 9,749件 |
| auひかり | 681Mbps | 5,290件 |
| ビッグローブ光 | 588Mbps | 869件 |
| ソフトバンク光 | 573Mbps | 103件 |
| ドコモ光(タイプA) | 551Mbps | 6,553件 |
一番速いNURO光でも934Mbpsです。1ギガの上限に張り付いているのはここだけで、ほかは551Mbpsから681Mbpsにとどまっています。
上限の半分しか使えていない状態で、上限を10倍にしても意味がありません。詰まっているのは回線の上限ではなく、その手前にあるからです。
この状態で10ギガを契約しても、数字はまったく変わりません。
マンションで、建物の共用部から部屋までが電話線(VDSL方式)の場合、契約が1ギガでも部屋に届く速さは下り最大100Mbpsが上限です。壁の差し込み口が電話線の形ならVDSLです。
この上限は建物の配線で決まるので、回線・プロバイダ・ルーターのどれを変えても超えられません。
10ギガにしても速くならない人の共通点
10ギガにしたのに数字が変わらない、という相談はとても多いです。原因はほぼ家の中の機器で、ドコモが公式に必要な条件を出しています。
| 用意するもの | 条件 |
|---|---|
| LANケーブル | カテゴリ6a以上(10GBASE-T) |
| ルーター | 10Gbps対応。有線は10GBASE-TのLANポート搭載 |
| パソコン・スマホなど | 10ギガに対応していること |
LANケーブルには「カテゴリ」という等級があります。数字が大きいほど速い信号を通せる、と考えてください。カテゴリ5e、6、6a、7という順に上がっていきます。
10ギガを通せるのはカテゴリ6a以上です。それより下のケーブルだと、そこが上限になります。ケーブルの側面に「CAT6A」などと印字されているので、手元のもので確認できます。
10GBASE-Tは、有線で10ギガをやり取りするための規格の名前です。ルーターの説明に「10GBASE-T対応」と書かれていれば、10ギガの差込口が付いているという意味になります。
そのうえでドコモは、「なおルーターが10Gbps非対応の場合、最大通信速度が10Gbpsとなりません」とはっきり書いています。
1本でも古い規格が混ざっていれば、そこが上限になります。回線だけ10ギガにしても、途中に1ギガの機器があれば1ギガで止まります。
無線でつなぐと2.4Gbpsが上限
ここが一番大きな落とし穴です。ドコモの案内にはこう書かれています。
「ドコモから『10ギガ対応無線LANルーター』をレンタルする場合、無線通信の最大通信速度は上り/下り2.4Gbpsとなります」
10ギガ対応と書かれたルーターですら、Wi-Fiでは2.4Gbpsです。10Gbpsという数字は、有線でつないだときの話だと考えてください。
普段スマホとノートパソコンしか使わない、つまり全部Wi-Fiという家庭なら、10ギガにする意味はほぼありません。



うちは全部Wi-Fiです…。じゃあ10ギガにしても意味がないってことですか?



率直に言えば、そうなります。有線でつなぐ予定がないなら、その料金は払わなくていいお金ですよ。
ルーターは自分で用意できますが、条件があります
ドコモの10ギガは10Gbps対応ルーターが原則レンタルです。自分で用意する場合、ドコモは次の条件を挙げています。
- 10GBASE-TのWAN/LANポートを搭載していること
- IPv4 over IPv6通信に対応していること
- DHCPv6-PD機能に対応していること
どちらもインターネットにつなぐときの「やり方」の名前です。中身を理解する必要はありません。
いまの光回線は、混雑を避けるために新しいつなぎ方を使っています。この2つに対応していないルーターだと、そのつなぎ方が使えず、速度が出ないか、そもそもつながりません。
つまり「この機能が付いていないルーターは選べない」という条件だと考えてください。商品ページに「IPv4 over IPv6対応」と書かれているかを見れば足ります。
そのうえで「プロバイダによっては上記条件を満たした端末でもご利用いただけない場合があります」とも書かれています。市販のルーターを買う前に、プロバイダに確認してください。
10ギガに変えると、数日ネットが使えない期間が出ることがあります
これは料金や速度の話ではなく、切り替えのときの話です。ドコモは重要なお知らせとして、こう出しています。
「既に光回線をご利用中のお客さま、かつ『ドコモ光 10ギガ』への変更に伴い『プロバイダ変更』が必要なお客さまは、工事日当日または翌日より数時間から数日間、インターネット接続の一部または全部がご利用いただけない期間が発生します」
さらに、速度を変えるプラン変更や転用の場合について、「工事日当日のAM5:00からAM7:30以降に設定を完了するまで、光回線を利用したサービスがすべてご利用いただけません」とも書かれています。
在宅で仕事をしている方は、この日を避けて日程を組んでください。1ギガのまま使い続けていれば、この空白は発生しません。
そもそも10ギガで契約できないことがあります
ドコモは「最大通信速度10ギガでご提供不可の場合は、『ドコモ光 1ギガ』など、『ドコモ光 10ギガ』以外の料金プランのお申込みのご案内とさせていただく場合がございます」と書いています。
建物の設備状況によっては、提供できるかどうかの確認そのものに時間がかかるとも案内されています。申し込めば必ず使えるものではありません。
格安SIMの光回線にも10ギガはあります。IIJmioひかりの10ギガは6,380円で新規のみ。1ギガから切り替えると特典が消えるので、10ギガを考えている人は最初のプラン選びで決めてください。
光回線の10ギガが必要なのはこういう人
| 条件 | 10ギガにする意味 |
|---|---|
| 1ギガで実測900Mbps前後まで出ている | あります |
| 有線でつないでいて、機器も10ギガ対応 | あります |
| 大容量のファイルを毎日やり取りする | あります |
| 実測が500Mbps前後で止まっている | ほぼありません |
| Wi-Fiでしかつないでいない | ありません |
| 建物がVDSL方式 | ありません |
下の3つに当てはまるなら、10ギガにお金を払う前にやることがあります。建物の配線方式を調べる、有線でつないでみる、この2つです。どちらも無料です。



うちはWi-Fiだけです…。先に有線で測ってみます。



それが正しい順番です。それで数字が上がるなら、回線を変える必要すらありませんよ。
一人暮らしで10ギガは必要か
要りません。1人が同時に使う回線は、動画1本と会議1つ、あるいはゲーム1台です。どれも1ギガの100分の1も使いません。一人暮らしで足りないと感じるなら、原因は回線の太さではなく、夜の混雑かWi-Fiの置き場所です。
ゲームで10ギガは必要か
対戦ゲームで困るのは遅れ(応答の速さ)であって、太さではありません。10ギガにしても応答は速くなりません。しかもPS5やSwitchの有線の口は1ギガまでなので、10ギガの回線につないでも1ギガまでしか通りません。
ゲームで先に見るのは、有線でつなぐこと、建物の配線方式、夜だけ遅くなるかの3つです。
Wi-Fiだけで使うなら、10ギガにする意味はない
スマホとノートPCをWi-Fiでつなぐだけの家は、Wi-Fiの上限が先に来ます。10ギガの契約にしても、部屋で出る速さはWi-Fiの規格とルーターで決まります。10ギガを生かすには、10ギガ対応のルーターと有線のケーブル、10ギガ対応のパソコンの口までそろえる必要があります。
10ギガより先に見直したほうが速くなるもの
実測が上がらないとき、原因は回線の上限より手前にあることがほとんどです。順番に確認してください。
- 建物の配線方式。VDSL方式なら100Mbpsで頭打ちです
- 接続方式。IPv6に対応した方式になっているかを確認します
- 有線か無線か。有線で測ると数字が大きく変わることがあります
- 回線そのもの。ここまで見て変わらないなら、独自回線を検討します
独自回線ならNTTの設備を通らないので、混雑の影響を受けにくくなります。実測の平均で934Mbpsという数字が出ているのは、この構造によるものです。
- 実際に測った平均の下り速度は934Mbps。測定9,749件で1位です
- 月額は戸建て4,530円・マンション3,530円(ルーター代込み・2年割適用の24か月間)で最安です
- オプション不要で最大40,000円の現金キャッシュバックが付きます
- 25か月目からは戸建て6,600円・マンション6,270円に上がります
- 提供エリアが限られています。まず住所で確認してください
2026年9月時点の情報です。金額は税込。申し込み前に公式サイトで最新の条件をご確認ください。
光回線の10ギガについてよくある質問
- 10ギガのエリアはどこで確認できますか?
-
NTT東日本・西日本の公式サイトで郵便番号から確認できます。提供エリアは拡大中で、NTT東日本は2026年9月にも拡大しています。エリア内でも設備の状況で使えない場合があります。
- 10ギガにはどんなルーターが必要ですか?
-
10ギガ対応のものが必要です。NTTには対応レンタルルーターが月550円で用意されています。手持ちの機器をそのまま使うと、そこが上限になります。
- 10ギガでもWi-Fiなら速くならないのですか?
-
10Gbpsは出ません。ドコモはレンタルの10ギガ対応無線LANルーターについて、無線の最大通信速度は上り下りとも2.4Gbpsだと明記しています。10ギガの数字は有線でつないだときの話です。
- LANケーブルは何を買えばいいですか?
-
ドコモはカテゴリ6a以上(10GBASE-T)を推奨機器として挙げています。ただしケーブルだけ替えても、ルーターやパソコンが対応していなければ変わりません。すべてを10ギガでそろえる必要があります。
- 1ギガから10ギガへの変更で工事は必要ですか?
-
必要です。NTT東日本は、フレッツ光を利用中なら光クロスに変更できると案内していますが、契約料と初期工事費がかかります。金額は申し込みの経路で変わります。
まとめ
10ギガにしても実測が上がらないのは、上限を決めているのが回線ではなく別のところにあるからです。ベストエフォート型なので最大速度は保証されておらず、NTTも「実際の最大値は技術規格上の最大値より十数%程度低下します」と明記しています。
建物がVDSL方式なら100Mbpsが上限で、10ギガにしても変わりません。機器の条件もあり、カテゴリ6a以上のLANケーブルと10GBASE-T対応のルーターを有線でつないで初めて数字が出ます。レンタルの10ギガ対応ルーターでも、Wi-Fiでは上下2.4Gbpsが上限です。そもそも建物の状況によっては契約できないこともあります。
実測が500Mbps前後で止まっているなら、先に配線方式と有線接続を確認してください。1ギガの実測平均は551Mbpsから934Mbpsで、まだ上限に届いていません。フレッツ光クロスは月額6,050円、ルーターとプロバイダを足すと7,700円あたりからなので、この確認を飛ばして契約すると、金額だけが増えることになります。









