マンションで光回線を使っているのに、速度を測ると90Mbps前後で止まってしまう。ルーターを買い替えても変わらない。
その場合、故障でも契約の問題でもありません。建物の中の配線がVDSL方式で、そこが上限になっている可能性が高いです。
VDSL方式かどうかは、問い合わせなくても自分で確認できます。NTT東日本が公式に案内している見分け方を3つ紹介したうえで、変更できるのかどうかまで書きます。
相談者回線を乗り換えれば速くなると思っていました…違うんですか?



そこが落とし穴でして。光コラボはどこも同じ建物の配線を通るので、乗り換えても数字は変わらないんですよ。
いろいろ試しても直らないなら、結局は回線を変えるしかありません。GMOとくとくBB光は、ソフトバンク光やドコモ光と同じNTTの光ファイバーに、夜も混みにくいv6プラスを最初から付けた回線です。夜の遅さが直る理由はここにあります。縛りがないので、合わなければ違約金なしでやめられます。
マンションの光回線の配線方式は3つ。速度の上限が違う
マンションでは、建物の共用部分まで光ファイバーが来たあと、各部屋までをどうつなぐかで3通りに分かれます。
建物の共用部分までは光ファイバーで来ているのに、そこから各部屋までは、もとからある電話線を使うつなぎ方のことです。
光ファイバーを部屋まで通すには工事が要りますが、電話線はすでに全部屋に通っています。だから工事をせずにインターネットを配れるという利点があり、古い建物で多く採用されました。
ただし電話線は、光ファイバーほど速い信号を運べません。そのため下りの上限が最大概ね100Mbpsで止まります。建物の外がどれだけ速くても、ここで細くなります。
| 配線方式 | 部屋までの配線 | 下りの最大速度 |
|---|---|---|
| 光配線方式 | 光ファイバー | 最大概ね1Gbps |
| VDSL方式 | 既存の電話回線用ケーブル | 最大概ね100Mbps |
| LAN配線方式 | 建物内のLANケーブル | 建物の設備による |
NTT東日本のフレッツ光では、契約するサービス名そのものが上限を表しています。
| サービス名 | 下り | 上り |
|---|---|---|
| マンション・ギガラインタイプ | 最大概ね1Gbps | 最大概ね1Gbps |
| マンション・ハイスピードタイプ | 最大概ね200Mbps | 最大概ね100Mbps |
| マンションタイプ | 最大概ね100Mbps | 最大概ね100Mbps |
VDSL方式は電話線を使うため、光ファイバーの速度をそのまま部屋まで運べません。90Mbps前後という数字は、むしろ正常に近いのです。



故障を疑って何度もサポートに電話する方が多いんですが、原因はここにあることが本当に多いです。
マンションの光回線がVDSL方式か確認する方法は3つ
1. 部屋にある装置の型番を見る
NTT東日本は、宅内の装置の型番がVH-から始まるもの、またはRV-から始まるものならVDSL方式だと案内しています。装置の前面か側面のシールに書いてあります。
電話線のモジュラージャックにケーブルが刺さっていれば、ほぼVDSL方式です。光配線方式なら、刺さっているのは光ファイバーのケーブルです。
2. 開通のご案内の書類を見る
申し込んだときに届いた「開通のご案内」の『ご利用サービス名』の欄に、VDSL方式と書かれている場合があります。これも公式の確認方法として案内されています。
3. NTTのエリア検索に住所を入れて、表示で見分ける
これが一番確実で、契約する前でも使えます。フレッツ光の提供エリア検索に住所と建物を入れると、表示されるプラン名で配線方式が分かります。
| エリア検索の表示 | 建物の設備 |
|---|---|
| フレッツ 光ネクスト マンションタイプ | VDSLまたはLAN配線方式だけの建物 |
| フレッツ 光クロス/マンション・ギガラインタイプ | 光配線方式が入っている建物 |
| ご指定の住所は詳しい状況確認が必要です | どの装置も入っていない建物 |
「プラン1」「プラン2」「ミニ」といった表示が付くこともありますが、これは契約数の区分であって、速度とは関係ありません。見るのはタイプの名前のほうです。



住所を入れるだけで分かるんですね。契約前に見ておけばよかった…



今からでも間に合いますよ。次に何ができるかを見ていきましょう。
VDSL方式から光配線方式に変更できるのか
できる建物と、できない建物があります。自分だけの判断では決められません。
部屋まで光ファイバーを通すには、建物の共用部分に光スプリッタという装置を入れる必要があります。共用部分に手を入れる工事なので、管理会社やオーナーの承諾が要ります。
1本で来た光ファイバーを、複数の部屋へ分ける装置です。名前のとおり、光を分岐させる部品だと考えてください。
これを建物の共用部分に置くことで、はじめて各部屋まで光ファイバーを引けるようになります。VDSL方式の建物には、この装置が入っていません。
共用部分に取り付ける装置なので、住人ひとりの判断では入れられません。管理会社やオーナーの承諾が必要になるのは、このためです。
承諾が取れても、建物の配管の状況によっては設備を作れない場合があるとNTT東日本は明記しています。ここは建物の構造の問題なので、どうにもなりません。
変更できる場合、工事費は無料です
NTT東日本は、2020年7月1日の申し込み分から、VDSL方式から光配線方式へのタイプ変更工事費を無料にしています。ひかり電話などのオプションを同時に扱う場合は別途かかることがあります。
また、光配線化のリクエストを受け付ける窓口も用意されています。集合装置がVDSLかLAN配線方式だけの建物に住んでいる方が対象です。まずはここに要望を出す形になります。
光配線方式に変えられないときに残る2つの手
1. NTTの設備を使わない独自回線に切り替える
NURO光やauひかりは自前の光ファイバーを引くので、建物のVDSL設備を通りません。実際に測られた平均はNURO光が934Mbps、auひかりが681Mbpsです。
ただしこちらも建物への工事になるため、結局オーナーの許可が必要です。エリアの制限もあります。VDSLの制約を外せる代わりに、ハードルは低くありません。
- 実際に測った平均の下り速度は934Mbps。測定9,749件で1位です
- 月額は戸建て4,530円・マンション3,530円(ルーター代込み・2年割適用の24か月間)で最安です
- オプション不要で最大40,000円の現金キャッシュバックが付きます
- 25か月目からは戸建て6,600円・マンション6,270円に上がります
- 提供エリアが限られています。まず住所で確認してください
2026年9月時点の情報です。金額は税込。申し込み前に公式サイトで最新の条件をご確認ください。
2. 建物の配線を一切使わないホームルーターにする
コンセントに挿して電波を受け取る機器なので、VDSLだろうが光配線だろうが関係ありません。工事も許可も要らず、届いた日から使えます。
光配線方式ほどの速度は出ませんが、90Mbpsで止まっているVDSL環境なら、乗り換えて速くなることがあります。比べる価値はあります。



工事も許可も要らないのは助かります!



賃貸で許可が下りない方の逃げ道になっていますね。8日以内なら解約できる制度もあるので、試してから決められます。
- コンセントに挿すだけ。開通工事が要りません
- 契約期間の縛りも解約違約金もありません。端末代33,264円は924円×36回で、同額が毎月割り引かれます
- あとから光回線に変えたくなったら、違約金なしで切り替えられます
2026年9月時点の情報です。金額は税込。申し込み前に公式サイトで最新の条件をご確認ください。
マンションのVDSL方式についてよくある質問
- VDSL方式でも1ギガの契約はできますか?
-
契約自体はできますが、速度は出ません。1ギガは建物の外までの話で、部屋までの電話線が上限を作っているためです。高い料金を払う意味がないので、この場合はプランを上げないでください。
- 光回線を乗り換えればVDSL方式は解消しますか?
-
解消しません。ドコモ光もソフトバンク光もGMOとくとくBB光も、すべて同じNTTの設備を借りています。会社を変えても、部屋まで来る配線は同じものです。
- LAN配線方式はVDSL方式より速いですか?
-
建物に入っているLANケーブルの規格によります。古い規格なら100Mbpsで、VDSL方式と変わりません。光配線方式のように一律で1Gbpsになるわけではないので、期待しすぎないでください。
まとめ
マンションで速度が出ないとき、上限を決めているのは契約している回線ではなく建物の配線方式です。光配線方式・VDSL方式・LAN配線方式の3つがあり、VDSL方式は電話線を使うため下り最大概ね100Mbpsで頭打ちになります。
調べ方は2つあります。宅内装置の型番がVH-かRV-で始まっていればVDSL方式です。NTTのエリア検索で「マンションタイプ」と出る建物はVDSLかLAN配線方式のどちらかで、「マンション・ギガラインタイプ」や「光クロス」と出れば光配線方式が入っています。
光配線方式への変更工事費は無料ですが、管理会社の承諾と共用部の工事が必要で、配管の状況によっては設備を作れず変更できないこともあります。変えられない建物では、自前の光ファイバーを引く独自回線か、建物の設備を使わないホームルーターが残ります。










